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「つい叱ってしまう親へ|『完璧な親』より『謝れる親』が子どもを育てる」

お久しぶりです。

 

最近、投稿が出来ておりませんでした。

すみません。

 

でも、春休みも終わり通常運転に戻りました。

今回はは少し踏み込んだ記事にしてみたのでお時間ある方はぜひ、ご一読お願いします。

 

今回の記事、正直めちゃくちゃ迷いました。
書くべきか、書かないべきか。
好ましくない子育てを助長してしまわないか。

でも、同じように悩んでるお父さんお母さん、療育関係者がいるなら、僕が日頃から葛藤していることや調べて、経験して感じたことを、全部書き出そうと思います。

【重要な前提】
この記事は、「叱ってしまう自分に心が痛む」「子どもとの関係を良くしたい」と思ってる方に向けて書いています。

もし、身体的な暴力や人格否定、コントロールできない怒りがある場合は、この記事ではなく、児童相談所(189)や専門機関へご相談ください。

第1章 【僕自身の反省と発見】療育現場で働いていながら、叱ってしまう理由を調べてみた
まず、僕個人の体験談から話させてください。

僕は療育施設の代表として、「子どもの発達」「愛着形成」「適切な関わり方」を日々学んで、保護者の方々にもお伝えする立場にいます。

でも。

自分の子どもには叱ってしまいます。

叱った後、いつも心が痛みます。
「もっと分かり易い伝え方があったんじゃないか…」
「これは本当に叱る必要があったのか…」

この葛藤がどうしても解決できなくて、人間発達学、愛着理論、脳科学を調べまくりました。
そしたら、めちゃくちゃ救われる発見があったんです。

”療育”と”子育て”は「別物」でした
「親の役割は、生涯にわたり子どもの情緒的基盤を支えることであり、支援者の役割は、一定の期間・領域において機能の発達を促進することである」

[出典:小嶋亜紀子『発達障害のある子どもの家族支援』]
療育の現場では

「お預かりしている子ども」として客観視できる

数時間の限定された時間

仕事が終われば「切り替え」ができる

特定の課題に集中することができる

自分の子どもには

24時間365日、感情がベッタリ

「自分の子育ての結果」というプレッシャー

疲労・ストレス・仕事が全部重なる

「切り替え」なんて不可能

心理学では、これを「第三者効果」と呼ぶそうです。

「援助者は、他者の問題には冷静に対処できるが、自分自身や近しい人の問題には感情的になりやすい」

[出典:アルバート・エリス『論理療法』]
つまり、「療育者なのに叱ってしまう」のは、人間の脳の構造上、当然のことだったんです。

この事実を知った時、本当に救われました。

第2章 【子育て中のあなたへ】その「心の痛み」は愛情の証拠です
ここからは、同じように「叱りたくないのに叱ってしまう」と悩んでる親御さんに向けて話します。

まず断言します。
叱った後に心が痛む親は、すでに「いい親」です
これはキレイごとじゃありません。
僕は本気でそう確信しています。

あなたが叱ってしまうのは、子どもの未来を本気で心配している証拠なんです。

子どもが言うことを聞かない時、親の脳は無意識にこう判断します

「このままじゃ将来困るぞ」
↳「今すぐ正さなきゃ」
↳「叱る」

これは本能レベルの反応で、親子や兄弟、家族といった近しい相手に発動します。

「親の脳は、子どもの『危険』や『逸脱』を察知すると、扁桃体が瞬時に反応し、戦闘モードに入るようプログラムされている」

[出典:ダニエル・シーゲル『子どもの脳を育てる』]
つまり、あなたの「叱る」は、子どもへの愛情が強すぎるからこそ起きる「愛の誤作動」なんです。

「安全基地」は、叱らない家のことじゃありません
僕はずっと「叱らないで済むように誘導できる親が偉い」「叱らなくて済む家が理想」だと思ってました。
でも、愛着理論を学んで、考えが完全に変わりました。

大事なのは「叱るかどうか」じゃなく、「叱った後に戻ってこられるかどうか」でした。

ボウルビィが言う「安全基地」は、失敗しても、怒られても、外で揉まれてボロボロになって帰ってきても、「最終的にここに戻ってこれる」と子どもが信じられる場所のことです。

「子どもは安全基地があることで、失敗しても戻ってこられる場所として親を認識する」

[出典:ジョン・ボウルビィ『愛着と喪失』]
だから、「叱ってしまった=ダメ親」ではありません。

叱ってしまった後に、どう関係を修復するか。
ここが、子どもの自己肯定感と信頼感を決める最重要ポイントです。

「親子関係の質を決めるのは、『ケンカが起きないこと』ではなく、『ケンカの後にどう仲直りするか』である」

[出典:エド・トロニック『Still-Face実験とリペアの重要性』]
第3章 【実践編】叱ってしまう親が今日から変えられる3つのこと
ここからは、僕が実際に試して「これは確実に効く」と確信した方法だけを3つに絞ってお伝えします。

① 叱る前に「7秒」耐える—これは本当に効きます
叱らないと、と思った瞬間に、まず7秒だけ時間を稼いでください。

理屈抜きで効果があります。
怒りのピークは6秒前後で、この波をやり過ごすと理性が戻ってきます。

「怒りの感情のピークは長くて6秒程度。この時間をやり過ごせば、前頭前野が働き出し、冷静な判断が可能になる」

[出典:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会]
僕がやっているのは、あえて子どもの前でカウントダウンすることです。

「おっと、そろそろ怒ろうかな…? 5、4、3、2、1…」

バカみたいですが、本当に効きます。
ゆっくり数えて10秒でも20秒でもこれに時間を費やします。
子ども、も時間が減っているという感覚は伝わります。
親のクールダウンと子も「あ、怒られる」と感じ取ってくれて一石二鳥です。

② 「行動だけ」を叱って「存在」は絶対に守る
叱るときに、絶対に混ぜてはいけないものがあります。

それは、「行動への注意」と「存在への否定」です。

「宿題をやってない」は行動の話

「お前はダメな子だ」は存在の話

この2つがごっちゃになった瞬間、子どもの中で
「ミスした僕」=「価値のない僕」
という式ができてしまいます。

僕が確実に効果があると感じているセットがこれです

事実だけを切り出す:「さっき、妹を叩いたよね」

影響を伝える:「叩かれると、妹は痛いし悲しい」

次の行動を一緒に考える: 「今度ムカッとしたら、どうすればいい?」

存在を守る一言を必ず添える: 「叩いたことはダメ。でも、あなたのことは大事だよ」

「子どもの行動と人格を分離して叱ることで、子どもは『行動を改善すればいい』と理解し、自己肯定感が保たれる」

[出典:アルフレッド・アドラー『勇気づけの子育て』]
叱る相手は「行動」であって、「子どもそのもの」じゃない。
ここを守るだけで、同じ叱るでもダメージが全然違います。

③ 一番大事なのは「叱った後の一言」—これが関係を変えます
個人的に、最も効果があるのはここです。

叱ってしまった後に、必ず「修復の一言」を入れる。

「さっきは怒りすぎた。ごめん」

完璧じゃなくていいので、親の側から一回ボールを戻してください。

「親が謝ったら舐められるんじゃないか」と思うかもしれませんが、実際にやってみると、子どもの目つきが変わります。

「でもちゃんと向き合おうとしてくれてるんだ」って。

「親が謝罪することで、子どもは『感情を持つことは悪いことじゃない』『間違えても修復できる』ことを学ぶ」

[出典:ダニエル・ゴールマン『EQ こころの知能指数』]
これ、信頼貯金としてめちゃくちゃ大きいです。

「もう一度求めてもらえるのか」への明確な答え
僕がずっと不安だったのは、「叱ってばかりの僕に、もう一度、子どもから求めてもらえるのか」でした。

答えは確実に「YES」です。

子どもは、親の「完璧さ」を求めていません。
子どもが求めているのは、「失敗しても、怒っても、最終的には自分を受け入れてくれる人」なんです。

「愛着は、生涯を通じて修復可能である。親が変わろうとする姿勢そのものが、子どもに安心感を与える」

[出典:メアリー・エインズワース『愛着パターンの研究』]
今夜、子どもが寝る前に、こう言ってみてください

「最近、怒ってばっかりでごめんね。もっと楽しく過ごしたいんだ。一緒に考えてくれる?」

子どもは、親が「変わろうとしている」姿を見るだけで、安心します。

第4章 【同業者へ】療育・教育のプロも、人として揺れていい
最後に、療育・教育の現場で働いている人に向けて、はっきり言い切ります。

「専門家なのに…」と自分を責めるのは、今日でやめてください
現場では利用児童に対して冷静に関われるのに、自分の子ども相手だと全部吹き飛ぶ。
これは当たり前のことです。

「専門的援助関係と親子関係は、構造において本質的に異なる。前者は『専門的距離』を保つが、後者は『感情的密着』が前提となる」

[出典:カール・ロジャーズ『クライエント中心療法』]
「仕事ではできるのに、家ではできない」は矛盾ではなく、前提条件が違うだけです。

療育は「特定の課題」に対する「専門的支援」。子育ては「人生全体」を共に歩む「愛の営み」。

目的も、関係性も、責任の範囲も、全然違うものなんです。

あなたの専門性は、仕事で十分発揮されています。
家では、「専門家」じゃなくて「親」でいいんです。

プロだからこそ「揺れている自分」を見せてほしい
もうひとつ、僕が強く確信していることがあります。

療育や教育の専門家が、「悩む自分」「揺れる自分」を言葉にすること自体が、最高の支援になるということです。

「援助者自身が自分の弱さや失敗を開示することで、相手の心理的安全性が高まり、援助関係が深まる」

[出典:エドガー・シャイン『人を助けるとはどういうことか』]
親たちは、「完璧な専門家像」を見せられるほど、「自分だけがダメなんだ」と追い詰められていきます。

「僕も叱っちゃうことがある」

「でも、こんなふうに修復してる」

「一緒に試してみませんか?」

このスタンスでいる専門家が増えたら、救われる親は確実に増えます。

まとめ 完璧じゃない親でいい
僕が自分の経験と、学んだことを総動員して出した答えがこれです。

叱ってしまう親は、すでに「子どもを大切に思っている親」

大事なのは「叱らないこと」ではなく、「叱った後に修復すること」

完璧な専門家より、「一緒に悩みながら歩く大人」の方が、子どもにも親にも必要

そして何より、

「心が痛む親」であること自体が、子どもにとっての一番の安全基地になる。

これが、僕の確信です。

切り替えるタイミングは「今夜」です。

今夜から、一歩ずつ。
叱った後に、「ごめんね」って言ってみる。
寝る前に、「頑張ってたな」って伝えてみる。

それだけで、関係は必ず修復できます。

あなたは、一人じゃありません。

一緒に、優しい道しるべを作っていきましょう。

最後に、ちょっとお願いがあります

もしこの記事が「自分だけじゃなかった」とか「ちょっと楽になった」と感じてもらえたら、スキ、フォローをしてもらえると嬉しいです。

同じように悩んでる方に、この記事が届くといいなと思っています。

孤立してる親を、一人でも減らせたら。

それが、僕の願いです。

というわけで、今日は「叱ってしまう親への道しるべ」についてお届けしました。

読んでくれて本当にありがとうございます。